先週に放送されたNHK「さわやか自然百景」で、ニセコ尻別川のショウドウツバメが取り上げられていました。
ショウドウツバメは国内では北海道でのみ繁殖するツバメで、河川近くの断崖面や、湿原・海岸の泥炭や砂土の崖地に営巣します。
いわゆる”ツバメ”(The・ツバメ)は単独営巣が基本ですが、ショウドウツバメやイワツバメは集団営巣をし、繁殖地での繁殖時期には「集合住宅」が見られます。
繁殖地では雌雄共に二週間ほどかけて横穴式の巣作りを行い(Cramp.1988)、抱卵・育雛期間はおよそ一ケ月。
幼鳥はしばらく集団で留まり、成鳥に遅れて渡りを開始すると言われています(玉田ほか.1993)。
秋のススキ原やヨシ原ではツバメの若鳥が集団塒(ねぐら)を形成していることがありますが、ショウドウツバメも渡り前の秋には若鳥同士でつるんでいるんでしょうかね。そんな場面にはまだ出くわしたことがありません。
私が初めてニセコで集団営巣地を見つけたのは2010年頃。
その時はショウドウツバメのこんな生態は詳しく知らなかったけども、初めてこの「集合住宅」を見て、単純に驚いた記憶があります。
この集団営巣地を見つけたきっかけは、8月に偶然、電線に止まったたくさんのショウドウツバメを見かけた時。そこには巣立ち直後の幼鳥と成鳥が混じっていました。
その後、その近くで営巣地に適した地形を地形図から想定して、実際に行ってみて、営巣しそうな環境かどうかを見極め、あとは翌年に実際にやってくるのかどうか毎日のようにチェック――なんてことない、”足で稼ぐ” だけです。
植物探しと一緒ですね。
営巣地では、土地の性格上、大雨や河川の浸食で崖が崩れてしまったり人間による土地の改変があったり…と様々な理由で毎年必ず同じ場所で繁殖しているわけではないけども、こんな営みがこれからも続きますように。
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