マニアと歩く

先日、博物館学芸員のハチ屋(ハチの専門家)と歩いてました。
植物を見ている私の傍ら、デカい虫取り網をいつも持ち歩いてます。

するとスズメバチが近くを飛び回り、「おぉぉー」と歓喜する彼。

さっと虫取り網で飛んでいるスズメバチを捕まえ、むぎゅっと素手で掴んで、
「ヤブキさん、コガタスズメバチのオスですよぉ」
と。

「オスは刺さないんで、大丈夫っす。顎の力も弱いから噛まれても甘噛み程度だし」
って。
うぅーむ……。

コガタスズメバチだろうが、オスだろうがメスだろうが、私にとっちゃデカいハチなんだけど、『結婚飛行をするオス』を捕獲できるのは珍しいらしく、すぐさま標本にしてました。

秋に巣から飛び立った新女王と交尾するためにオスはそのタイミングで巣を飛び立つのだけど、そこで新女王に出会えないオスは自分の巣にも帰ることが出来ず(帰ったら同胞に肉団子にして食べられるらしい・恐)、そのまま死んでいく…とのこと。そんな結婚のための命がけの飛行なんだと、ハチの生態についてアツい講義を受けました。
(ざっくりとした説明でスミマセン。ハチは私の専門でないのでお許しを)

数多のフィールドワークを繰り返し、時には論文を書いたり図鑑を執筆したりして社会に貢献し、そんな生粋のマニアが私の周囲には数多くいます。最近、自分のそんな恵まれた環境に改めて気づきました。

マニアはどんな分野も素晴らしい。
こんな有望な楽しいヘンタイが、我が町にはいます。

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