一本釣り的鳥見

この日も馴染みのお客様で、スキーをしつつも、いつも当ツアーに申し込んでくれます。
20年以上前のニセコもご存知な方なので、ニセコの今昔を肌で感じているようです。
変化の激しいニセコでいつも変わらない私のツアーに何度もご参加頂いていますが、”いつも通り” といっても自然にはいつも何かしらの新しい発見や出会いがあります。人間の ”探そうとする目” が大事なのです。
鳥好きのお客様なので、そんなふうに双眼鏡を首にかけておしゃべりしながら鳥探しをするツアー。

この日は珍しくと言っていいほど静寂に包まれた森で、鳥っけがなく、物音ひとつしません。
いいんだか悪いんだか……です。

めげずにアンテナ感度全開で歩いていると、クマゲラの声が!
森の中を飛ぶ姿が見れました。天然記念物で日本最大のキツツキですよー。ラッキーです。

そしてしばらくすると、森の中をてくてくと歩くものが……。

エゾライチョウでした。

テレビなどで見る「ライチョウ」は、日本アルプスなどの高山帯に生息するキジ科の鳥で、国の特別天然記念物に指定されています。森林限界より上の厳しい環境に適応しており、夏は岩場やハイマツ帯、冬は雪に覆われた高山で一年を通して暮らします。最大の特徴は、季節によって羽色を変えること。冬は真っ白に換毛します。

一方で、名前の似ている「エゾライチョウ」は、高山の鳥ではなく北海道の深山に生息するキジ科の鳥で、北海道内にのみ分布する日本固有亜種です。灰褐色のまだら模様の羽は落葉広葉樹林の森によく溶け込み、冬でも換毛しません。一年を通して同じ地域で暮らす留鳥で、冬でも雪深い森の中で雪洞を掘って生活するたくましさを持っています。
飛ぶことがあまり上手でないせいか、夏に深山の林道や登山道などで地面からバタバタっと近くの枝に飛び移る姿を見かけることがありますが、警戒心が強いため、近くでじっくり見られる機会はほとんどありません。

▼森林内のエゾライチョウ

そんなエゾライチョウが目の前の雪上を可愛らしく歩いてました。
しかもしばらく双眼鏡で追いかけられるくらい、じっくりと。

あとで最初に発見したところに行ってみたら、足跡に糞に塒(ねぐら)まで!
糞は ”たばこのフィルター” のような特徴的な形。
塒は雪に雪洞を掘って過ごすのだけど、これが意外と深い!トドマツの根元に掘ってました。
私も「これがエゾライチョウの塒(雪洞)だ!」というものは初めて見ました。

いつもいるカラ類やキツツキ類はちっとも見れないのに、めったに見られない鳥を一本釣りするような鳥見となって、私も含めて大喜びでした。

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