「早春の鳥見」

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今年は毎年実施している鳥見の会をお休みしているので、こちらで鳥見のご紹介。
鳥を見るのにベストな時期は、繁殖期にあたる5月あたりから。
その時期は活発に動く上によく鳴いてくれるので、初心者でも姿を発見しやすく、観察できる鳥が増える時期です。
だけど実は、“鳥を覚えたい” という人にはこの時期がベストではありません。
というのは、
5月の繁殖期に半日も歩いたら、確認出来る鳥はかるく20~30種は越えます。
これって初心者には間違いなく頭が混乱してしまう数。
「二兎追うものは一兎をも得ず」ごとく、「二羽追うものは一羽も得ず?」状態になりかねません。
実は、ワタシの「鳥見の会」も必ず、“あまり鳥が見られない時期”からスタートするようにしていました。
そうすることで、少ない種数から除々にプラスしていってアタマの中を整理する作戦。
鳥も植物もそうですが、何度も見て調べていくうちに、頭の中で、
・時期別に―
・環境別に―
・分類別に―
グループ分けが自然と出来てきてくるタイミングがあるものです。
こんなアタマの中の整理が、“ある日突然” 出来るようになるものなんです。
この、ある日突然が訪れると、
「急に分かるようになった気がして、嬉しい!楽しい!」
と感じる瞬間なのだと思います。
植物や鳥の名前を覚えるために、まるで英単語を詰め込むようにひたすら覚えるのは、とてもつまらなくツラい作業で、グループ分けしながら記憶したり、いかに季節や環境と繋げて理解していけるかが、楽しく覚えていくこととの境い目となります。
そこでおすすめは、残雪の時期からキチンと鳥見歩きをすること。
残雪の時期は夏鳥がまだ渡ってきていないので、半日歩いていても出会える鳥は10種あるかないか。
もしかすると、観察出来る鳥が少なくてつまらなく感じるかもしれません。
だけどそんなふうに同じものを何度もみることが、 “これから先” の季節ために大事なのです。
アタマの中と鳥の声への事前練習みたいなものです。
まずは、
残雪期に、繁殖に向けてひと足早く活発に動き回るカラ類と呼ばれる留鳥の仲間たち。さらに、冬はカラ類と混ざって見ることの多かったキツツキの仲間たち。これをひたすらノック!
雪が溶けるにしたがって、除雪脇などにたむろするホオジロ科の仲間たち。
そして次に冬鳥や旅鳥のアトリ科の仲間たち―。
さらに季節が進むと夏鳥の渡りも次第に本格化し、ウグイスやらセンダイムシクイやら・・・。
こんな風に、アタマを整理しながら観察して段階的に記憶にとどめておくと、季節が進むにしたがって観察出来る鳥の種数が増えていってもアタマの整理が進みます。
ただ
「○○が見れた」
だけではなく、
「この時期に、こんな環境で、○○が見れた!こんな行動をしていた!!」
という意識を持ちながら観察しましょう。
するとある日突然、アタマの中で整理出来るときが来ますので。

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