この日は馴染みのお客様。
いつもは厳冬期にスノーランブラーをしに来てくれるのですが、そのたびにワタシが、
「春のスノーランブラーもいいですよ~。スノランで ”滑って遊ぶ” には春が一番!」
なんてそそのかすもんだから、春雪狙いで来てくれました。
装備も体力も歩くペースも良く分かっていて、さらにはスキーも上手な方なので、森の奥の奥にある「ヤブキゲレンデ」に行ってきました。
ワタシ、ニセコの森にいくつか「ヤブキゲレンデ」を持っています。って、ワタシの土地ではありませんよ。誰も行かないからワタシが勝手に言っているだけです (^_^;)
そこは、森の中のプライベート・スノーランブラー専用ゲレンデ。
「スキー」として滑るにはつまらない―、スノーシューでは行けない―、いい森に囲まれていて―、スノーランブラーでも危なくない斜度だけど、それなりに滑っちゃう、という絶妙な斜度と面積と長さが必要です。要は、森にぽっかりと空いたただの斜面です(笑)
だけどそんな場所は、スノーランブラーで遊ぶには最高な場所なんです。
誰も知らないし、あえて行かない。だから静かでいい。
その中でもここは特に歩く距離が長く、ツアーでは今まで一度も行ったことがありません。
秘密の場所ってワケではないけど、ツアーではなかなか行けるタイミングがないので、結果的に秘密の場所みたいになっています。
厳冬期には行けないし、行く気にもならない。春限定。厳冬期に一度だけ一人で行ってみたけど、うんざりしました。
そんな場所。
「遊びに、ヤブキゲレンデへ」といっても、やっぱりスノーランブラーは自然を見るためのスキーなので、行くまでの道中ではしっかりと個々の植物や鳥、森全体を見ながら歩きます。サクサク歩かない!ハイペースで歩いちゃダメ!
だけどそれなりに歩かないと着けない!(ムズカシイ…)
春の歩きやすい雪を感じながら、自然を見ながら、お喋りしながらがやっぱり大事です。
ヤブキゲレンデの手前周辺は、とてもいい森で美しい。そんなトコロを見ながら歩いて、さらに奥へ。
とてもスノーシューでは行く気にならない距離感だし、地形にまったく特徴がなくピークを目指しているワケではないので普通迷います。ガイドが迷ったらおしまいなので、さりげなく気をつけながら(笑)
昼も過ぎた頃、到着!
春の森でゆっくりお喋りしながら昼食を済ませ、あとは……スノーランブラーで、「滑り大会」!
そもそもスノーランブラーの板は滑るためモノではないし、取り扱い易さために板の長さは短くなっていて、そのためバランスが取りにくい。
踵だって固定されていません。当然スキーブーツなんぞ履いていなくて、ただの靴。
スノーランブラーで滑るのは超ムズカシイ。
通常のツアーでは、ワタシの方でフィールドや斜面を選びながら「ターンなんてしなくてもいいですよ~」で済む場所でやっているのですが、今日はせっかく滑れる人なので滑りにチャレンジです。
スキーが好きな人なら、ここも面白いトコロです。
滑っては登り返して、また滑って…を何度やったでしょう(笑)
すっかり上手くなりました。
いい笑顔。
スポーツとしてのスキーではなく、自然の森を移動するための道具としてスキーを使い、誰も居ない森で気の知れた仲間だけで遊び、なおかつ周囲の自然をしっかり見て・知る……こんな自然の楽しみ方もいいものです。
これだけ上手くなれば、帰りなんてあっという間。
町でお茶してさらにお喋りを楽しみ、充実の一日が終了。
誰も行かない森の奥まで歩いて、一日中滑って遊んで…だけどキチンといろんな森も見て自然を知る。
そしてさらに、スノーランブラーの機動力と遊ぶ幅の広さを体感してもらって、ワタシも良い一日でした。
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