刺されて噛まれて

こうも毎日山や森(藪)の中を歩いていると、まぁよく色々と刺されます。

蚊やブヨはいつものこと、夏の間はアブも何種類かいて常にまとわりついてくるし、ダニもいます。
アブにまとわりつかれている間、イラっとして追い払っているくらいのストレスはまだいいのだけど、払う暇も気もない道のりでは気づくと背中やら腕やらを刺されて(噛まれて)、チクっとしてから「あ゛ーーっ」となってイライラ度MAXです。

さらには極悪な藪の中を歩いていると頭上の葉からアリも落ちてきたりして、首すじや背中を噛まれてやたらとブツブツになったり、痒くなったり…。

まぁこんなふうに、夏の間はずーっと何かしらに刺されたり噛まれたりしていて、記憶にない傷がよくあります。

しかし、8月半ばの頃。

足が地面に着かないほどのヤブを歩いている時、いつもとは違う痛みが!

そう、ハチでした。

アブやらブヨやら蚊やらなんぞはシーズンに何十回刺されているのか分からないけど、さすがにハチ(スズメバチ)に刺されたのは今まで3回だけ。
たいていの種類のスズメバチは羽音と飛び方で気付くし、何より視覚で常に注意をしているのだけど、この時は地面が見えないほどの藪の上に足を運び、前も藪で見えない、という通常はあり得ない歩き方。
踏んだ藪から戦闘部隊が出てきたと思ったら、即、やられました。一度に3か所ほど。

「いってぇー!」と言いながらもその場から離れ(といっても離れるための一歩すら難儀する場所なんだけど)、その後は事なきを得たけども、その後ずっとズキズキとした激痛が続き、その後患部は腫れて赤紫色っぽくなって固くなり、数日後には痒みが……とまぁ、久しぶりにスズメバチの洗礼を浴びました。

今回は痛みの種類と羽音、刺されるまでのパターンがオオスズメバチやキイロスズメバチ・クロスズメバチといったいつものヤツとは違うな、と思って、身近のハチの専門家に聞いてみたら、どうやら(キオビ)ホオナガスズメバチだったよう。

森林生物データベース 00188 キオビホオナガスズメバチ

”ツアー中にお客様がハチに刺される” というのはガイド的に最も避けなければならない事故なので、ガイドは皆、「刺されないために」と「万が一刺された時には」とに分けて対処法を整理し実行出来るように毎年準備をしていますが、いざ自分が刺されるとワタシ、「様子見→我慢」といういたって昭和的根性論で対処してしまいます。ダメですよ。
野外活動の多い人、指導者・引率者は、ハチの識別・生態的知識から予防、対処、アナフィラキシーショックの知識などなど、きちんと学んでおきましょう。ある意味でハチはクマよりも危険ですから。

また、ハチ毒に対する自身の抗体検査、というのも病院で受診出来ます。私は数年に一度診てもらうようにしています。
野外を歩く機会が多く心配な人は、自身の身体を知るためにも受けてみるのがいいかもしれません。

何よりホント、痛いから。

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