この日は、ニセコから2時間ほど走ってガイド講習会の日。
参加者はボランティアガイドの方々で、ガイド技術的な部分は別枠で受講しているので、この日は私の植物の回です。
植物の知識、プラスα、これから勉強を進めるにあたって超大事な部分の理解と実践が目的。

自然ガイドの技術や価値って、ここ10年で変わりました。
かつては、自然に対する知識や情報力を持っていてそれを上手く伝えることが出来る、ということにひとつの大きな価値があったのだけど、今や情報や知識は誰でも手に入れやすくなりました。
「情報の質」の問題はあるにしても、誰でも・お金をほとんどかけずに・短時間で、新たな情報に触れることはできます。
研究レベルの内容ですら、海外の論文がネットで閲覧・翻訳・要約まで出来ちゃいます。素人が外国語で書かれた多数の文献や論文を短時間で比較検証できる、なんてことは一昔前では信じられないことです。
私自身も、20年ほど前にはパソコンによって――この5年はAIによって――、時代が急速に変わってきていることを実感しています。近年急速に技術が進んできたAIも、活用することを毛嫌いすることなく、利用すべき場面をきちんと整理しているのであればたくさん利用した方がいいと思っています。
だからこそ、今まで「どんなに技術が進んでも出来ないこと」を意識的に考えて自身のスキルアップを図り、そんな、アナログ的?人間的?技術を身に付けることを最優先にしてきました。その上で、時間をかける必要のない部分にはデジタル技術やAIを活用すれば、「時間」はいかようにでも振り分けられるんです。コレ、とても大きなことです。
実際最近は、お客さんや若手ガイドも、昔とは比べ物にならないほどの知識量と情報量を持っていることがよくあります。ガイドが単純に「自然の知識」を勉強すればガイドっぽくなれる時代はもう昔の話ですね。
そんなワタシ的考えを持っているもんだから、ここ数年は、昔からよくある「自然の知識」中心のガイド講習会ってあまりやりません。聞かれれば当然答えるけども、そこは参加者が勝手に調べればいいし、それが出来る時代だし。
しかし、本にもネットにもAIにもできない、ワタシ的考え・見方・コツ・覚え方なんかは、歩いてきた経験上にしか成り立たない部分であり、そんな私にしか出来ない内容を講習会では紹介したい。分かりにくいけど。
これからのガイドは、本やネットで得られる知識や情報以上の価値のものは何なのか、を考えて身に付けないと、長くやっていけません。
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