違和感を感じられるか、が勝負

今回は、ガイドや少しツッコんで自然を見られるようになりたい、という人向けです。

自然を見ている時に私が大事にしていることのひとつ――違和感。

なんかいつもとちょっと違う
といった感覚です。

私のツアーで車移動をたくさんご一緒したことある人は、知ってますよね?
車で移動中、
『あ゛ぁぁーなんだぁ??ちょっとUターンしますねー』
がよくあるでしょう(笑)
お客さんの興味・気づきに関係なく私の興味で立ち止まるヤツ。あれです。

植物や鳥で ”この個体のここ” といった細かな視点でも、”周囲の環境” や ”ぱっと見” といった大きな視点でも、歩きながら違和感を感じることが出来るかどうかはとても大事。
その場所・その時期・その環境でそこにあるであろう動植物を想定でき、それらをひとつの情景として認識している必要があって、いつものそれ”とは何か違う…という部分を見抜くことは難しくもあり、面白いものです。
気づきの多さや見落としの少なさといったことの根本になるのが、この「違和感」と言ってもいいでしょう。

ただ、この感覚を身につけることは口で言うほど簡単ではありません。
漫然と歩いていたりただ鳥や草花を見て歩くだけでなく、今までどれだけ意識的に見て歩いてきたかの量に左右されます。一定の予備知識もあった方が、気づき(現地での違和感)に繋がることが多いでしょう。

しかもたとえ違和感を感じても、(きちんと検証せずに)自分の知っている”何か”に当て込んでしまって「ハイ、おしまい」になることが多いものです。そこで自分の感じた違和感を信じ、きちんと見直して調べ尽くすという部分に新たな発見があるもので――その手間を惜しまないことも大事。
コレ、ほぼ自戒です……。

ちなみに、やっぱりこれも独りで歩いてばかりだとなかなか身につきません。だって「自分の見落とし」には自分では気づきようがないので(同じ場所を何度も通って改めて自分の見落としに気づく、といったことはよくありますが)

嬉しい発見も悔しい見落としもたくさんしてきたので、やっぱり違和感を大事にしたい。というか、もっと違和感センサーの感度を上げたい。そんなふうにいつも思っています。

物言わぬ自然から人間がいかに気づけるか――なのです。

昨年、とある所を車で走っていたら、一瞬目に入った道端の花に違和感センサーがビビビッと反応しました。

わざわざUターンして確認してみたら、やっぱり、図鑑でしか見たことない花でした。

ツキヌキオグルマ
茎が葉を突き抜けているように見えるので「ツキヌキ」

外来種だけど、道内ではかなり局所分布の花。
「夏の道端の黄色い花は、オオハンゴンソウだよね~」と決めつけちゃいけません。
ぱっと見だって車の移動速度だって違和感を感じることが出来れば、より出会いが増えます。
(運転中はきちんと前を見ましょう)

コメント

This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.