高山植物の女王とも呼ばれるコマクサ。
羊蹄山には本来コマクサは自生しないことが分かっています。
しかし20年以上前に人為的に播種されたことが判明していて、本来自生している他の植物への影響が懸念されています。
国内に在来のものでも本来そこにいなかったということには意味があり、たくさんの動植物がいればいいというものではありません。
羊蹄山は独立峰であるために周辺からの自然移入も少なく、山頂周辺の高山植物帯は天然記念物にも指定されています。そんな本来の羊蹄山の自然環境を守るべく、環境省や倶知安町・ニセコ羊蹄山岳会が中心となって、13年前から毎年駆除作業をしています。
羊蹄山は、一般的に上り4時間・外輪一周1時間・下り3時間ほどかかる本格的な登山です。
これに休憩時間と昼食時間を確保すると10時間ほどかかるでしょうか。
傾斜もきつく、水場もなく、天気も安定しずらいため、体力と行程管理が大事ですね。
今回はこれに3時間ほどの作業時間をさらに確保して登らねばいけません。
人間のやったことは人間がきちんと対処するしかないのです。
一時は数百個体にも増えてしまったものが、昨年は数個体にまで減ってきました。
しかしそれでも今年は10個体ほどが発見されました。
たとえゼロになっても残された小さな根の残骸から発芽することもあり、まだまだ本来の羊蹄山の植生を取り戻すには時間がかかりそうです。
こんな地道な活動を多方面に知ってもらうことを通して、自然を守ることの難しさと必要性の意識が高まることを願っています。
コメント