北海道の開拓の歴史は、およそ130年前にさかのぼります。
開拓地を選定するにあたっては、そこに生育する植物や森の姿からその土地を読み取ることが多く行われました。
『地味良好である』
という土地は、川沿いの平坦地に広がるハルニレ林。
つまり「ハルニレ」の木が、肥沃で良好な開拓地としての指標となり、そんな森は真っ先に切り拓かれて人が住むようになりました。
そんな経緯から、今ではまとまった広がりを持つ良好なハルニレ林は、なかなか見られなくなっています。
特に道央圏は開拓時期が早かったことと人口の多さから、開拓前を偲ばせるようなハルニレ林はほとんど見られません。
昨日は、そんな “お宝” を探してました。
文献や地形図、航空写真を見てアタリをつけて、あとは足で稼ぐ戦法。まぁ、いつもと同じです。
去年も探していたけど、あるにはある―だけど、どうもパッとしない。
一度切り拓かれてから、再び成立したようなハルニレ林ばかり。
「やっぱり、このスケールの森しかないよね・・・」という感じだったのですが、やっとありました。
写真ではまったく伝わりませんが(しかも冬枯れ…)、素晴らしいハルニレ林でした。
相変わらず、遊歩道などはありませんが。
平坦地は立派なハルニレばかりで、開拓時代以前の森の姿を偲ばせます。
ハルニレ林の上部斜面にはカツラが生育し―、
尾根になるとミズナラ。
どれも一抱えをゆうに超える木ばかりで、森を構成する植物たちも教科書通り。
大木の樹上は苔むし、イワオモダカが畑のよう。
そんな貴重な森を、ミソサザイの声を聞きながら歩く……いいフィールドワークでした。
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