ひと区切り

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この写真は、5月半ばの羊蹄山麓の森。朝4時半。
この時期になると毎年ここで宣言しているので、
「もうそんな時期だね」
と思って下さる方もいると思いますが、3月半ばを過ぎるとワタクシ、ニセコ鳥類調査の時期です(→去年の投稿)。
11年前にワタシの個人的興味と勉強のために勝手に始めたこの調査。
その頃も鳥のことはある程度分かっていたつもりでしたが、今、その頃の調査データを見るとなんもなんも。見えていないのがバレバレです。
そんな、今となってはなんちゃって調査の時期もあるのですが、満10年経ちました。
調査内容は、3月半ばから鳥の渡りの状況を確認するために、羊蹄山麓の50km以上にわたる決まったルートを毎日車でゆっくり流して、その年の渡り鳥の初認日を確認します。
これをおよそ1ヶ月続けたら、その後は7月上旬まで計15回程度、羊蹄山麓の複数の環境でラインセンサス調査。
事前に決めたルートを決まった速さで歩き、決まった範囲内で見聞きしたすべての鳥を記録していく方法です。
毎回日の出前から歩きだして3時間ほど。それから毎日の仕事が始まる、という生活。
この調査を始めた頃はまだガイド会社に在籍していたころで、なかなかシンドかった記憶があります。
さてこの調査も今年でひと区切りする予定です。
10年間やり続けた、ということでこれを基礎データとして、これからは2~3年おきのモニタリング調査(経過観察調査)に切り替えます。
なにせ、この調査は並々ならぬ調査労力がかかります。
(ワタシが独自で勝手に始めた調査なので、いつでも止められるのですが・・・)
調査が始まるとガソリン代が跳ね上がり、いつも夜明け前に起きて一人ぼっちで森の中を歩き、
「今日もいつもと変わらず」
という調査記録をとる日々。
そんな中でも見続けていれば発見もあり、新たな疑問も生まれ、いまだ解決できていないこともあります。
そんなふうに続けていたら、それなりにニセコの鳥類相がイメージ出来るようになってきました。やっと。
なので、基礎データとしての10年、をひと区切りにした次第。
さらに“ひと区切り”のキッカケのひとつが、
ここ2~3年は、ニセコで自然ガイドをやり始めて3~4年のガイドさんが、勉強のために手伝ってくれていました。しかも、ほぼ皆勤賞で。
そのコはまったく鳥が分からないところから始まったけれど、毎回朝早くから調査に同行し、調査データを記録し、結果を共有し、そんなことを何年もやっていたら単に識別する、ということよりも、より“知って”いるようになってきています。
何より、人よりも見ようとしているところが、ガイドとしてスバラシイじゃないですか!と個人的には思っちゃうわけで。
ワタシとしては、勝手に始めたこの調査も少しは人の役に立った、ということで、それもひと区切りのキッカケです(となんだかエラそうですが)。
そして、独立してから毎年行なっていた、恒例の「鳥見の会」も今年は休止の予定です。
(あくまで “休止” ですから。熱烈ラブコール次第でいつでも復活しますんで)
個人的には相変わらず鳥を見続けるこの時期ですが、ちょっと時間をかけるチカラ加減をシフトチェンジ。
「変わらないものの中で、変化をもって―」
なのです。
当然、通常ツアーの中で、
「鳥を中心としたツアー」
などの対応は可能ですので、ご要望があればぜひ遠慮なくご相談下さい。

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