この日は、馴染みのお客さまからのリクエスト1dayツアー。
リクエストの内容は・・・・・・「地図読み」です。
とはいえ、この日のお客さまはスキーを履いて冬山を滑ったりもする方なので、普通に地形図を読むことはできます。しかしそんな “一般的な” 地図読みではなくて、自然ガイド的 “自然をよむ” 地図読みがテーマです。
地形図を見て現在位置を確認しながら、先のルートの地形を想像して、方角と地形のスケールをイメージしながら自分の進むべき方向を見定めて―(ここまでは一般的な地図読み)、
さらに航空写真を読み込んで森林植生にも意識を向け、先のルートの森の姿をイメージし、地形と森のつながりを確認しながら歩く―(ここいらは自然をよむ地図読みです)。
冬は当然遊歩道などなくどこでも自由に歩けるので、夏にはまったく行けない尾根の向こうの先まで。
そんな、普段のワタシのフィールドワークを、ツアーとしてご一緒して歩いてました。
ふたりで歩きながらこまめに地形図と航空写真を見て、さらに周囲の植生を観察し、個々の樹種を見て環境とのつながりを知る、という作業をあーだこーだ言いながら。一般的には分かりにくい楽しさですが、たいそう楽しい歩き方です。
せっかくならワタシ自身もあまり予備知識がない場所の方がいいので、10年ぶりくらいに行くような森に狙いを定めて、ほぼぶっつけ。
「ガイド的にいいのか!?」という声も聞こえてきそうですが、今日ならアリ、ということで。
3時間近く歩いた結果、狙い通りのルートをキチンとトレースでき、到達した場所は思った通りの場所でした。
こんな自分の「自然をよむチカラ」の精度を上げる作業も、とても楽しいものです。
常に、地形図と航空写真と植生のチェック。
少し歩けば、またチェック。
キチンと森と地形をみて周囲に観察眼を払えば、こんな大木も見つけられます。ハルニレ。
読み通りの美しい森です。
狙った場所も、読み通りの場所でした。羊蹄山の展望がいい。
展望を楽しみながら超まったりとお昼を食べたら、スノーランブラーで下りを堪能。
楽しめそうな斜面を見つけてはGo!ふたりのオジサンはすっかり子供です。
読図という技術も、ただのひとつの「技術」ではありません。
現場で地形をみて地形図と見比べて、さらに森の姿をみて地形を再確認し、ひとつひとつの植物がそこに生えている意義を知る――、そんなところにも地形図を読み込む楽しさが隠れています。
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