今年の晩夏に道南で仕事中、とある尾根筋でキタゴヨウを見ました。
キタゴヨウとはゴヨウマツの変種で、北海道では日高地方と道南のごく一部のみでしか見られません。
そこで、球果(松ぼっくり)を2つ3つ、お持ち帰り。
まだ松かさは閉じていたのですが、中の種子に興味があって・・・。
その後、部屋の本棚に置きっぱなしにしていたら、先日いつの間にか開いてました。
キタゴヨウの種子散布方法は風散布なので、球果は熟すと開裂するだけで枝から落ちることなく残り(残存性)、風によってより遠くに飛散されるよう種子には翼(よく)が付いています。
それがハイマツでは動物散布。球果は熟しても開裂せずに球果ごと枝から落下し(早落性)、動物(主にリスやホシガラスなど)によって運ばれるために飛散の必要はなく、翼はありません。
そして、そのキタゴヨウとハイマツの雑種としてハッコウダゴヨウという樹木が青森県八甲田に分布していて、球果は早落性だけれども熟すと松かさはわずかに開き、種子には翼の痕跡のみがある、という中間的な形質を持っています。
―なんてことを、3~4年前に知り、八甲田で実物をたくさん見て検討したことがあります。(良く分かりませんでしたが・・・(^_^;))
そんなことをふと思い出して、“キタゴヨウの翼のある種子” というのを一度キチンと見てみたかった。
そのための置きっぱなし作戦なのでした。
こんな立派な翼がついてました。
ようやく実物を見れました。作戦成功。
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