不定期開催、似たモノシリーズ。
ニセコにもたくさんある、タチギボウシ。
コバギボウシの変種で葉が大きく、どちらかというと山よりの湿った草原などに生えます。
花色はほとんどが淡紫色などの紫系ですが、稀に白花もあります。
(タチギボウシ白花タイプ)
葉は大きく、葉の基部は葉柄に流れます。
(タチギボウシ葉)
こちらはオオバギボウシ。
葉の基部は心形気味となって、側脈が多めな上、葉脈の彫りが深く見えます。
道内ではタチギボウシよりも平地(低標高)に多く、林道脇や沢の斜面などの崩壊気味な斜面に多いような気がします。しかもただ崩壊しているだけではNGで、ある程度の水分も必要なようです。
またワタシ的には、オオバギボウシはほとんどが白花で他の色はまだ見たことがありません。白花以外のオオバギボウシって道内にあるんだろうか?なんて思っていますが、どうでしょう?
北海道内なら、オオバギボウシとタチギボウシは生育環境と花の色でかなりアタリをつけられるかと思っています。
また、ギボウシの仲間は「うるい」と呼ばれて若芽を山菜として食されますが、よく問題になるのがバイケイソウとの誤食。バイケイソウは有毒ですので注意が必要です。
(バイケイソウ若芽)
バイケイソウはギボウシの仲間と違って、葉柄がなく茎から直接葉が出ているのが大きな違いですが、これはある程度成長しないと分かりにくいことも多いです。
(バイケイソウ、ちょっと成長)
若芽の間は葉が巻いているかどうか、というトコロを見るのがいいのですが、手持ちにいい写真がなかったのでこちらをどうぞ。↓
東京都薬用植物園
さらに、以前歩いている時にふと、バイケイソウの若芽とシュロソウの若芽が似ていることにも気づきました。
(シュロソウ若芽)
(左:シュロソウ 右:バイケイソウ)
シュロソウの方がシャープな感じで、葉の付き方が一方向に偏る感じがありますが、どっちかよく分からないものも多かったです。
(シュロソウ成長後)
道内でのシュロソウの分布は道南~胆振・日高地方なので、ここいらを歩くときはアタマにこんな選択肢が上がっていると、分かる人には「やるなっ」と思ってもらえるかも、ですよ。
手持ちのシュロソウの花の写真は、ゴチャゴチャしたモノしかありませんでした…。
シュロソウに似た黄緑色の花はアオヤギソウなんて言いますが、変種レベルだし、環境的住み分けをしているとも思っていないので、ワタシ的にはあまり気にしていません。
これら、それぞれの識別点をキチンと覚えるのがイチバンなんですが、最初はそれぞれの識別点を覚えていなくてもいいんです。調べればいい。
そもそも “コレには似ているモノがあるから早合点は注意” ということを知っていることが大事です。植物も鳥もそう。
そこを知らないと、自分の知っているものに当て込んで決めつけてしまい、調べることもなく大きく見誤ります。
まずは「似ていて要注意」いうもの同士を知ることが、『違いの分かるオトコ(オンナ)』になる第一歩なんです。
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