「キビタキのディスプレイ」

オオルリに続き、数日前にキビタキもやってきました。
キビタキはとても縄張り意識の強い鳥。
縄張りの侵入者に対して ”パチパチパチ” と嘴(くちばし)を鳴らしたり、”バリバリバリ” と羽を鳴らしたりしながら威嚇の行動をします。
時には人間に向かってすら、肩口をかすめながら飛んで威嚇してくるくらいです。
ワタシも何度か「出てけー」とばかり、ヤラれたことがあります。
こんな鳥が渡って来た直後にまずやることは、縄張りの確保。
同じ種同士での様々な意思疎通の行動は「ディスプレイ」とも言われ、「求愛ディスプレイ」や「威嚇ディスプレイ」などと言われます。
シジュウカラは、オスが巣穴に入りながら自分の頬の白斑をメスに見せつけて「巣穴紹介(求愛)のディスプレイ」をします(”白斑のフラッシュディスプレイ” Hinde,1952)。
『こんな巣穴を用意してみたけど、いかがッスかー?』
といった感じでしょうか。
(シジュウカラの頬の白斑)
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キビタキの威嚇ディスプレイは、先の ”音” 以外にも、腰の黄斑を膨らませたり、尾羽を扇状に広げながら振ったりします。
キビタキの腰にある黄斑はコレ↓。黄斑が膨らんでますね。
(15年近くも前の写真なんで、画質が悪くてスミマセン)
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キビタキを今年初確認した一昨日、まさに、キビタキのオス同士が威嚇ディスプレイをしながら争ってました。
右キビタキ(オス)が左キビタキ(オス)に向けて、盛んに尾羽を広げながら震わせてました。
左のキビタキ(オス)の方が若い個体だったので、チカラの上下関係が見えるようでした。
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鳥も植物も「名前が分かったらもう見るのはオシマイ」ということがよくあるのですが、自然の面白い世界は名前を知った後にあります。
双眼鏡を使って名前が分かっても、双眼鏡を下ろさずに、いつもより数十秒長く眺め続けてみてください。
こんな行動に気づけるかもしれません。

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