「コガラとハシブトガラ」

今年は、積雪量に関しては多くも少なくもない、という感じですが、気温は暖かめの冬に感じます。
今日の日中はプラスの3℃くらい。
厳冬期にはありえないほど暖かな一日。
すると最近、森の中から小鳥のさえずりが聞こえてくるようになりました。

「◯◯カラ(ガラ)」(シジュウカラが有名ですね)、と言われる小鳥たちは “渡り“ をしないので、他の鳥に比べて春の早い時期からさえずりを始めます。
「さえずり」は春の繁殖に向けて出すオスの声なので、いわゆるラブソング。
英語でもsongです(繁殖期以外に出す声はcallといいます)。
つまり、繁殖にはまだ早い厳冬期にはさえずりを聞くことはほとんどありません。
ニセコの例年では、2月中旬あたりからポツポツと聞かれだし、3月中旬にもなれば盛んにさえずりだす、という流れ。
しかし、今年のように暖かめの気温と風もない穏やかな日が続くと、ずいぶんとさえずりをするようです。
とはいっても、さすがにまだ繁殖の春には早過ぎます。
雪だって、まだこれからたくさん降るでしょう。
まだ1月ですからね。
かなりフライング気味。
ワタシもよく、4月の初めくらいに雪が落ち着いたからといってタイヤ交換を済ませちゃったら、その後に雪が降って冬に逆戻り―車を使えなくなって家から出られなくなる、みたいなことがあります。
気が早過ぎるワケで・・・そんな感じでしょうか。

ちなみにこの「◯◯カラ(ガラ)」に、コガラとハシブトガラという鳥がいます。
(他には、シジュウカラ、ゴジュウカラ、ヒガラ、ヤマガラ。)
この二種(コガラとハシブトガラ)はベレー帽をかぶったような小鳥で、ハシブトガラは国内では北海道のみに生息します。
つまり本州なら、ベレー帽をかぶった「◯◯カラ(ガラ)」はコガラでいいのですが、北海道ではコガラかハシブトガラかどっち?、という問題がつきまといます。
これがまた悩ましく、この二種は、ホント、見た目がそっくり。

嘴(くちばし)をさす「ハシ」が「ブト(太)」の「カラ」なので・・・、
ハシブトガラの方がコガラに比べると嘴が太い、とか、
頭頂部の光沢具合が違う、とか、
次列風切の白色部が違う、とか、
会合線が目立つ、とか、
まぁ、いろいろあるのですが(笑)、
よっぽど条件良く観察できたり撮影できたりしない限り野外識別はムリ・・・というワタシ的結論。
そもそも野外では、そんなに条件良く見られることの方が少ないし。
この二種には、分布や生息環境に微妙な違いがあるようなので、あまり早計に決め付けると環境を見誤ることにもなりかねません。
まぁ、フツーはどっちでもいいかもしれませんね(笑)。
↓コガラ(・・・としましたが、ビミョーです・・・)
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↓ハシブトガラ(・・・でいいでしょう・・・)
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だけども、この両種の決定的な違いは「さえずり」です。
これから繁殖に向けての時期だけは、さえずってさえくれれば見分ける(聞き分ける)ことが出来ます。
↓コガラさえずり
MP3ファイル
↓ハシブトガラさえずり
MP3ファイル
さえずりの声が違いますね。
「小鳥のさえずりがキレイだな~」と、気持ちよく歩くだけでも当然いいのですが、ちょっとこんなことを意識して歩いてみても、もしかしたら発見・気づきの出会いがあるかもしれませんよ。
次回は少しマニアックに、「コガラとハシブトガラ その2」。

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