ツタウルシはニセコにとても多い植物のひとつ。
ウルシの仲間の中では最強の毒で、強い”かぶれ”を引き起こす原因になっている植物です。
ウルシ毒は正確にはアレルギー反応のひとつなので人によって症状の強弱が変化し、意外と大丈夫な人もいたりしますが、基本的にどんな人も注意したほうが無難です。
ある時から急にかぶれる身体になっちゃうこともありますから。
まったくかぶれない人でも、枝を折った時に出てくる白い乳液のような汁に触れれば、おそらくほぼ百発百中でかぶれることが出来るでしょう。
肌が敏感な人(子供など)では葉に手をかざしただけでかぶれてしまったり、頭上の木に絡みついたツタウルシから垂れた雨滴でかぶれてしまうこともあります。
野外歩きの際は、ウルシから身を守る意味でも帽子を被ったりフード付きの雨具を着ることが大事です。
私も10年ほど前まではまったくかぶれないタイプだったのだけど、ここ5~6年ですっかりかぶれるようになりました。今では仕事柄、年に数回はかぶれています。
万が一かぶれると、ひどいかゆみが数日~一週間以上続き、患部が熱を持ったり全身がボーっとするような感覚があったりして、なかなかのものですよ。
ツタウルシというくらいなので ”つる植物” のひとつ。地面を這ったり他の木に絡みついたりしていて、見分けられる人でもいつの間にかかぶれちゃったりします。
ホント、この ”つる” というのが厄介で、
登山中に「よっこらせ」と枝や岩を掴みながら一歩を踏み出そうとしたら、そこに絡みついていた――とか、
地面に座って休憩したら地面を這っていて触っちゃった――とか、よくあるパターンです。
そんな時は特に注意が必要です。
見分けの大きなポイントとしては、三枚セットになった葉(三出複葉)を持つ ”つる植物” で、葉の縁にギザギザがない(鋸歯がない=全縁)のが一番の特徴でしょうか。
また6月は特に葉脈が目立ち、毒々しい光沢を放っていることがほとんど。
新緑時は葉の縁が赤く彩られていることが多いです。
また、葉脈間が盛り上がるような雰囲気があり、光沢感と相まって造花のような印象もあります。
ただ、若い葉には大雑把な鋸歯があることもあり、本来のツタウルシの葉とはイメージが違うので要注意です。
秋になると他のウルシ科の仲間同様、激しく紅葉します。
『この葉っぱ、キレイねぇ~』なんて手に取りながら写真を撮って……なんぞ絶対だめ。
ちなみに、実はこんな。
防御策としては「触らない」「近づかない」のが一番なんで、意識的に何度も何度も見て、自分自身で見分けられるようになるのが最大の防御策です。
「あっ、あるな」と思えるかどうか、です。
先日も歩いていたら毒々しいツタウルシをたくさん見て、見ているだけで痒くなってきました。
お気をつけ下さい。
以下、見る練習用。
↓見た目の質感や葉先の尖り具合が全然違いますね。
道南や本州には「ツタ」という植物が多く、ツタが三枚になっているタイプとは似ています。
※ツタは基本的に一枚葉ですが、時に三枚に分裂することもあります。
この違いは……もう分かるようになりましたね。
コメント
知らなかった事があったのでこれで知れてよかったです
それは良かったです。気をつけながら楽しんで下さい。