ウメバチソウ(梅鉢草)

神仙沼湿原でウメバチソウが咲きだしています。

ウメバチソウ

ウメバチソウの名は、たくさんの雄しべが梅の花のように目立つ所に由来しています。
”黄色い玉”(腺体)がついた細かい糸状のモノがそれ。
※ウメバチソウの ”鉢” は、この個体のように花弁が全開にならないことが多いことから。

ウメバチソウの ”それ” は正しくは「仮雄しべ」といい、退化して花粉を作らなくなった器官です。
ちなみにウメバチソウの場合、よく見ると5本の「本雄しべ」の付け根から「仮雄しべ」が12本以上に分かれていて、その分岐の数でさらに分類します。
こうなるともう、ルーペ必須。老眼ツライっす。

本来の(花粉を作る)5本の雄しべは、一週間ほどかけて1本ずつ花粉を出しながら反り返り、役目を終えていきます。この段階では雌しべは成熟しておらず、花自体は雄花として機能します。

下↓の写真は一本目の雄しべが後ろに反り返り、2本目が伸び出しています。
開花から3~4日目ほどでしょうか。

⇔(クリックで拡大)

雄しべの成熟が終わる(5本すべての雄しべが反り返る)と中心部分の雌しべが完全に顔を出して成熟段階に入り、花は雌花として機能します。こうして自家受粉を防いでいるのです。(雄性先熟

下↓のウメバチソウはすべての雄しべが反り返り、雌しべの先端部(柱頭)がはっきりと見えていますね。

⇔(クリックで拡大)

そんな ”植物学的仕組み” も面白く、一方で単純に ”仮雄しべの造形美” もいい。

⇔(クリックで拡大)

まさにいつもの、ヤブキ的「科学と感性」論なのです。
両者のバランスを取りましょう。楽しいから。

写真的には、湿原のウメバチソウは近づけないものが多く…、湿原を吹き渡る風でいつも揺れていて…、白飛びしやすい花の中心部をキレイに映すのが難しく…、ピント合わせも難しくて……なかなか難易度高めですが、そんなムズカシさにあーだこーだ言いながら撮っているのも楽しいですよ。

北海道では山でも湿原でも比較的よく見られるウメバチソウ。
それだけに花の名前が分かる人ほどスルーしがちですが、しっかりと見て、カメラを構えて、楽しんでみてはいかがでしょう。

コメント

  1. あんな より:

    矢吹さん
    お久しぶりです。
    いつもブログ拝見してます。うちの家紋が梅鉢なので、つい反応してしまいました。
    ウメバチソウって可愛らしい花ですね。 
    こういう花があることさえ知りませんでした…
    (家紋って植物モチーフも結構多いことに気が付きました、面白そうなので調べてみます^ ^)

    写真がいつも美しいです。
    マニアックな植物の話題、また楽しみにしてますね!

    • Ftre-zen より:

      >あんなさん
      いつもありがとうございます!
      梅鉢紋は西日本や九州に多いようで、思わぬ所で梅鉢つながりでしたねー。
      他にもキキョウやカタバミなど、植物紋は多様で意味付けも面白いですよね。いかにも日本っぽいし。
      これからもお時間のある時に写真を眺めにご訪問下さい。気合入れて撮りためておきます。
      ツアーでもお待ちしてますよー。

      • あんな より:

        お返事ありがとうございます。
        お写真、楽しみにしています。

        夏の北海道、行きたかった!
        気がついたらまた一年経って、寒くなって、冬山で再会のパターン…ではなく
        雪に埋もれる前に!
        とスケジュール帳と睨めっこしてますが笑 

        またどこかで絶対遊びに行きます(o^^o)

This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.