北海道には、道認定のガイド資格制度があります。
分野がいくつかに分かれていて、当然自然ガイド分野もあります。
ニセコにも私を含めて4〜5人の有資格者がいて、山岳分野も含めればたくさんのガイドが活動しています。
三回にわたる筆記試験では北海道の自然全般はもちろん、北海道の歴史・安全管理・気象・ガイド活動に関わる法律など広範囲に出題され、すべてクリアすれば残すことろ実技試験のみとなり、順調に受かっていっても取得までに最低一年ほどかかります。しかもこの最後の実技試験のハードルが高い、ともっぱらの評判。
最後の実技試験では模擬ツアーから始まり、容赦ない(?)質疑応答、時間内での応急手当、100問に及ぶ識別問題、面接……となかなか難しいのですが、そもそもプロガイドとしてスタートラインに立つための資格なので一定程度の敷居があって当たり前です。
この日は、こんな試験にチャレンジする方の試験対策的ツアー。
私が現地に出向いて、ほぼ講習会のような様相でした。
試験対策といっても私が受験した時の試験内容をこっそり教えても何も意味がないので、もっと本質的な「私が採点する立場ならここを見る」という部分を紹介しながらポイントを整理し、さらに、これから自分自身で研鑽出来るよう ”日頃のフィールドワークの方法” がテーマ。
あとは受ける人が自分なりに消化しながら、「試験のため」ではなく「お客さんのために」どうすべきかをしっかりと考えて実践することが出来れば、おのずと評価は高くなるはずです。
その結果、合格が近づくでしょう。
こんな資格については必ず、『資格を持っているからって必ずしもスキルが高いわけでもないし』なんて意見を聞くことがあるけども…そりゃそうです。
制度や試験の問題点もあるかもしれませんが…それはそれ、です。
そもそもチャレンジしていない・資格を取っていない人間がそんなことを言っても意味がないし、カッコ悪いわけで……要は、試験や受験する行為自体を含めて、本人がどう考え利用するのかだと思います。
私自身では、受けたからこそ色々と制度の問題点が自分なりに見えてきたりもするし、受験するという行為自体ですでにメリットがあるものだとも感じています。
この資格にはガイド経験が少ない初心者の方やボランティアガイドの方々も多くチャレンジしていて、私が受けた時も「今年で4年目のチャレンジなんです」という人がいました。こんなふうに何度落ちても数年かけてチャレンジしている人がたくさんいます。
今ある制度を利用して、よりスキルアップの機会を増やす姿勢も重要です。
こんな資格の受験を通してガイドのベースとなる知識や識別力を学び、それを伝えるための本質的な考え方を理解して、トライアンドエラーのチャレンジを繰り返す若いガイドさんが増えるといいですね。
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