今年も恒例行事、「洞爺湖中島エゾシカ調査」に行ってきました。
ワタシ的には、これに参加すると、初春の季節感を感じるくらいの恒例行事です。
私にとっては8年ほどですが、調査自体は35年ものあいだ続けられています。
ひとつの自然を30年以上も見続け、しかも学術的な蓄積をし続けるって、いつもながら本当に頭が下がる思いです。
洞爺湖中島は周囲10kmにも満たない小さな無人島。観光地として夏の間利用されています。
調査の目的は、
そんな閉鎖的自然環境において―、
シカと森林との相互関係を解明する基礎データを集積する
それによって適切な管理方法を考察・実施する
こと。
二日間のあいだ、森の中を歩きまわり・山を登りまわり・急な斜面を駆け下りまわってました。
いまやシカは各地で問題視されています。
私も植物調査でシカの過密地域に行くと、そんな場所の森林は荒廃がかなり進んでいます。
そもそも、洞爺湖中島という無人島にシカを移入したのは人間。
他地域でも、シカが増えすぎている要因のひとつに何らかの人間の活動があるでしょう。
「動物に罪はない」
なんてよく言われますが、そんなことは当たり前のこと。
その上で現状をキチンと知り、これから先の自然のバランスを望ましいカタチに出来るだけ近づけようとすることがとても重要です。
目先の感情論ではなく、数十年先の自然の姿をイメージする「想像力」が求められます。
そのためには、現状を正しく調べ続け、少しでも将来を推察できるデータを蓄積し、色々な方法を試し、それを分析し、考察と実施を繰り返す・・・という膨大な手間をかけるマンパワーが必要です。
今回の全調査人員は40人ほど。
多くの見識ある大人のもとで、多くの若く優秀な学生たちが頑張っていました。
(ワタシは一緒に歩いて、皆が安全に楽しく歩けるように盛り上げているだけですが―)
こういう活動が、正しく理解され、評価される必要がありますね。
登る、登る・・・
歩く、歩く・・・
さらに、歩く、歩く・・・
同じ班の有志たち。
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