ご存知、カワセミは水辺で生活する鳥。
魚を主なエサとし、水面に突き出た枝から魚を探したり、空中でホバリング(停空飛翔)しながら探したりします。
そして狙いを定めると、翼をすぼめて身体に密着させ、嘴で水面を切り裂くように一直線に水中へ急降下します。
水中でも動かしやすいモリのような細くて長い嘴で魚を捕らえたら、翼を広げて水面に浮き上がり、少し羽ばたいて水面上の枝に戻って魚を食べます。
そんな生活を反映して、翼は腕が短く翼が扇型の「短腕扇翼(たんわん・せんよく)」などと言われます。
飛翔の際は障害物の少ない水面上を直線的に飛ぶので、空中の姿勢を制御するための尾羽も短くなっていて、空中での飛翔よりも水中での行動に適した身体の作りになっている鳥なのです。
この日は雨だったので、博物館で鳥の仮剥製作成作業の日。
珍しくカワセミを作成。
生活域が水辺の鳥なので衝突死なども少なく、持ち込まれることの少ない鳥なので、観察しながらも慎重に作業します。
まさに、でした。
その上、羽の色は純粋な “青” ではなく、光の角度によって青から緑へと変わる構造色と言われるもの。
嘴はとても骨化していて硬く丈夫。
解剖していると、顔周り(首)の筋肉が他の鳥よりも多い感じもありました。水への突入の成果?でしょうか。
足は止まり木に止まるためだけのものなので、中趾と外趾が癒合している合趾足(ごうしそく)と言われる足です。これも実物をじっくり見たのは初めて。
↓合趾足
モノを掴むには指はそれぞれ独立していたほうがいいですが、水をかくにはくっついていたほうが有利です。これもカワセミの生活を物語る身体の作りになっています。
やっぱり、百聞は一見にしかず。
こんな機会(仕事)を与えてくれる、地元博物館に感謝です。
This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.
コメント