先月のツアーの際、地面から少しだけ顔を出した蕾らしきモノを見つけました。
蕾といっても、1センチ程度の ”たまごボーロ” みたいなのが地面から数ミリ顔を出しているだけ。
「これってもしや?」
と思い、帰ってから文献を引っ張り出して蕾から開花までどのくらいかかるのかを調べ、二週間後に再訪すると……やっぱりキヨスミウツボでした。
植物らしくないこの植物、生活史も興味深いだけに一度見てみたいと10年近く前に躍起になって探し回って初めて見つけ、その後は数年前に偶然一度見ただけ。
キヨスミウツボは寄生植物で、北海道ではアジサイに寄生する、とかいったネット上の記述も散見されますが、本当のところは分かっていないようです。
(道内では)アジサイ類を始めとする様々な落葉広葉樹に寄生する、と言った方がいいかも。
他の寄生植物では、「ハマウツボ」や「オニク」「ヒキヨモギ」なんてものもありますが、たいてい寄生相手は決まっていて、ハマウツボ(オカウツボ)はオトコヨモギ(本州ではカワラヨモギ)、オニクはミヤマハンノキです。
”寄生”といっても、宿主に完全に依存する「寄生植物」と、ヒキヨモギやヤドリギなど自身でも光合成を行いながら宿主に依存する「半寄生植物」など依存の度合いも様々で、キヨスミウツボは自身で光合成を行わない完全寄生タイプ。
こんな寄生植物たちとの出会いはいつも突発的でそもそも出会えない植物なんだけど、キヨスミウツボはどうやら花期も短いようで、開花から一週間もかからずに枯れだしてました。
葉がないので、枯れれば存在自体が分からなくなります。
そりゃ、なかなか見ないわけだ。
蕾の状態で見つけられれば開花時期が予測出来て確実なんだけど、蕾といっても小指の先よりも小さいし、こりゃ分からん。
我ながら、よく気づきました。
コメント
ご無沙汰しております。
実は私も先月末に祖母山で、出たてのキヨスミウツボを発見したんですよ!きのこかな?と思いながら撮影して、後日判明しました。
おっ、そうなんですね。タイムリーですね。
(私の経験則ですが)おそらく、年によって出現率に差があると思っているので、来年も同じ場所で探してみて下さい。