2026年9月、ニセコひらふでヤブソテツ(ヤマヤブソテツ)というシダ植物を見つけました。
この植物は、かつて奥尻島が日本での分布の北限とされていましたが、1958年、植物学者の故・桑原義晴先生がニセコで標本を採取したことで、後志地方にも生育していることが明らかになりました。1962年には同じ場所で再調査が行われ、生育がふたたび確認されています。そのときの標本は現在、「北海道本島、初発見のもの」として東京上野の国立科学博物館に収蔵されています。
ところがその後は誰にも確認されず、正確な生育地もわからないまま時が流れ、今では、実質的には奥尻島が北限という状態になっていました。とはいえ標本が残っている以上、公式には「道内では奥尻島と後志地方(ニセコ)に分布」とされています。
これらのことは地元に暮らす者としてずっと気になっていて、10年以上前から事あるごとに探し続けてきました。
とはいっても開発も環境変化も激しいニセコ——そう簡単には見つからず、そんな変化を目の当たりにしている身としては、「近年のひらふの開発で消えてしまったのかな……」と半ば諦めかけていました。それでも空振りを重ねながら、過去の資料とのご縁もあり、資料を紐解いて目星をつけてヤブの中を歩いた結果、再発見することができました。
幸い、生育していたのはニセコの開発の手が及ばないであろう場所で、ひとまず安心。
また、こんなマイナーなシダは盗掘される心配はまずないだろうし、観光に利用できることもない、いわば誰にも見向きもされない情報かと思うので、その点でも安心です。このままひっそりと生き続けてもらいたいものです。ただ、そのぶん誰にも気づかれないまま生育地が失われてしまうことのないよう、善処していきたく思っています。
ちなみに、一部の人たちの間では、ちょっとざわついています(笑)
こんな激動のニセコにあって、64年ものあいだ誰にも確認されずにひっそりと生き続けてきた植物に出会えたことに感動するとともに、北海道の植物の分布を再確認できたことをとても嬉しく思います。



コメント
すごい!10年間さがして、狙いをつけて発見とは!!
すばらしい!
わしも見てみたい~!
最後の注釈の学名や表記などの記載も格調高い記事ですね~。
お元気そうで活躍されてなによりです。
おぉー誰かと思えば、大変ご無沙汰しております。
ありがとうございます!
F氏のお陰もあり、歩き続けた甲斐がありました。何より地元還元にもなって(?)、良かったです。
というか、このことよりも、今度お会いしとうございます。植物見ながら、ゆっくりと近況報告でも。