「耳かき草」

動植物の名前の由来には色々なパターンがあります。
1、発見場所の地名や発見者・命名者の名前からとるパターン
ヤマハナソウ(札幌市山鼻地区藻岩山で発見されたことから)
P6140021.jpg
チョウノスケソウ(植物採集家須川長之助から)
2014-07-03%209-01-33.jpg
リンネソウ(分類学者リンネから)
2015-07-28%2011-58-23.jpg
2、見た目から
ネジバナ(花がねじれて並ぶことから)
120920%20008.jpg
アカハラ(見たまんま、赤い腹だから)
2014-05-11%2014-35-31.jpg
3、2に近いですが、他の似たものから借用するパターン
ヤブレガサ(破れた傘)
2015-05-17%2015-35-04.jpg
オドリコソウ(編笠を被った踊り子のような花姿から)
060702%20006.jpg
カワガラス(川にいるカラスから)
090612%20178.jpg
ハナイカリ(錨に似た花姿から)
P9110018.jpg
他にも、生態に基づいていたり、古語に由来したり、訛ってしまって今の名前に変化したものなど、あげたらキリがありません。
また、
「イ」という、ひと文字だけの植物(畳の “い草” ですね)や、
110913%20026.jpg
「ヒロハヘビノボラズ」(刺が多くてヘビも登れないことから)といった変わった名前―
090906%20052.jpg
別名まで含めると、「リュウグウノオトヒメノモトユイノキリハズシ(龍宮の乙姫の元結の切り外し)」(=アマモのこと)なんて名前もあります。
ところで、今日は “耳かき” を探してました。
「ムラサキミミカキグサ」
2015-08-16%2011-05-52.jpg
花は3mm程度で、草丈も3~10cm程度の極小な “耳かき” 。
その上、
「湿原内の、初夏までは水に浸かるような場所で、花期の盛夏になると水が干上がるような場所で、だけども乾燥しきることはない場所で―」
という、とても微妙な環境に生育しているようでした。
名前を知るのも楽し、
環境を読み取るのもまた楽し、です。

コメント

  1. Ftre-zen より:

    >葛西さま
    コメントありがとうございます。また、ご心配頂いちゃってなんとも恐縮です。あちらはちょっとお休みしてました(笑)
    ワタシもいまだに知らないこと、見たことないことが多すぎる次第で、日々歩きまわっております。なので、元気ですよぉー!
    お時間のある時にまたこちらを覗いて下さいね。たまにコメントも残してくれると、これまた幸いです。
    季節の変わり目、ご自愛下さいマセ。

  2. 葛西恵美子 より:

    FBに投稿がないので、ご病気でも?と心配しておりました。時々、ブログを拝見させていただいていましたが、しばらくごぶさたしてました。今日こそと思い拝見し、耳かき草という珍しい名前でここに来ました。珍しい花ですね。見たことはありません。見たことがない、知らないという植物が多すぎですね!
    毎回、楽しくてためになるいいお話、そして美しい草花や鳥たちの写真、これからも時々お邪魔いたしますね。
    また、お元気で歩き回られていらっしゃるご様子で、安心いたしました。朝夕寒くなりましたね。お元気でご活躍ください。

This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.