奥入瀬ハンドブック

先日、自宅に本が送られて来ました。
『奥入瀬自然百景ハンドブック』
『奥入瀬渓流樹木ハンドブック』
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ネット購入が出来るようになるのはもう少し先のようなので、欲しい人はしばし待ちましょう。
著者は公私共にお世話になっている、河井大輔氏。
北海道の自然ガイドはたいていお世話になっている、「北海道野鳥図鑑」の著者のひとりでもありますね。
つい先月も一緒に酒を酌み交わして語り合い、いつも楽しい時間を過ごさせてもらっています。
青森県奥入瀬に初めて訪れたのはもう10年以上前、それから何度も個人的に歩きに行き、仕事ではガイド講習会や自身のツアーをしたこともあって、ガイド仲間も何人かいます。
そんな繋がりの中で、送って頂きました。
今回はそんな奥入瀬渓流の自然新刊本をご紹介。
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『自然百景ハンドブック』は、ワタシ的に、ひとつの “妄想本” です(河井さん、スミマセン)。
自然を歩き回ってきた人だからこそ切り取れる美しい自然写真と、情景をただの情景として見流さないための、読みやすい解説文。
それらをセットにしてひとつの情景をピックアップし、奥入瀬渓流の自然美のひとつひとつを解説しています。
情景のピックアップといっても、単に観光的な看板やウケる景色、というわけではなく、「立ち止まって見ようとすると気づける自然美」のピックアップです。
ネイチャーライターという肩書の傍ら、自然ガイドとしても奥入瀬渓流の自然を愛し発信し、歩き回ってこられた著者ならではの視点です。
出かける前に目を通せば、奥入瀬渓流の全体像と各所の自然のひと味違った視点を感じることが出来ます。
そういった意味で “妄想本” と書きましたが、ハンドブックですから是非、この本片手に歩いてみて下さい。
自分で「おやっ?」と思ったり、「自分なりの美」を感じた場所で、このハンドブックと照らし合わせて眺めてみるのも、新たな気づきに繋がるでしょうから。
『樹木ハンドブック』もまた、興味深い本になっています。
花や葉の形態・実寸など具体的な識別点を中心に解説した図鑑(ハンドブック)は世に数多ありますが、この本はそういったハンドブックとは少し違います。
奥入瀬渓流の自然景観を構成している重要なパーツ=樹木、というものを、立ち止まって見て・知るためのもの。
解説文には、植物用語満載のフツーの図鑑と違って、「奥入瀬渓流ではどんなふうな環境に多いのか」「どんな印象で見えるのか」「他のどんな木と似ていて勘違いしやすいのか」など、現場を歩いて見てきた人間にしか分かり得ない情報(経験)も盛り込まれています。
これって感覚的な部分も多いので、万人向けの正確な表現ではなくなります。だから図鑑では敬遠されがちな表現になるものです。
だけどもそんな感覚的な見方も、自然をみる上でとても大事な一面であるとワタシは思っています。
そんな情報もしっかり解説されています。
ワタシのツアーでヤブキ用語的によく言っている、「全体を知るために個をみて、個を知るために全体をみる」という見方の手がかりにもなりますね。
やっぱり、一般的な、学術的・科学的に識別する(名前を決める)ためだけのものではないのです。
とはいってもこのハンドブックでは、樹皮や葉・花や実・樹姿といった一年の中での樹木の様々なステージをキチンとした記録写真で紹介されているし、巻頭には葉っぱ検索が出来る一覧もあるので、ページと実物を “絵合わせ” すれば「その木が何の木なのか分かる楽しさ」を感じられるでしょう。
これでも分からないものは、とりあえず「名前は決められなかった」としてスルーしてもいいと思います (^_^;)
興味を持って歩き続ければ、いつか分かるようになりますんで。
ガイド向けには、この樹木ハンドブックを網羅的に覚えていればOK、くらいの良い教科書になりそうです。
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こんな、「知っている・歩き回っているからこそ」な内容のハンドブックは、初めて自然を歩く人、とりあえず歩いたことのある人たちの『妄想』や『現地での新たな気づき』に、分かりやすいカタチで一役買ってくれることでしょう。
この本片手に奥入瀬渓流をゆっくり歩きながら、「目を向ける」「気づく」楽しさを味わってみて下さい。

コメント

  1. Ftre-zen より:

    よく見つけましたねー。
    まったく大した協力もしてないのに恐縮です(汗)

  2. ナンジョウ より:

    ウグイスの囀りで目を覚まされる毎日、先日は樹のてっぺんに姿を見つけました。
    「奥入瀬渓流樹木ハンドブック」、奥付に「製作協力のおひとりとして」矢吹さんのお名前を見つけました!
    とりあえず歩いたことのある身には、おっしゃる通りとてもありがたい本になりそうです。

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