不向きな雪でも

スノーランブラーは、スノーシューに比べて深い雪でも難なく歩ける上に、春のザラメ雪もとても気持ち良く楽しめます。まさに「自然をみるためのスキー」を味わえます。
そんなコンディションに当たりやすい時期は、深雪は1月~2月末くらい、春のザラメ雪は3月下旬~4月中旬くらいでしょうか(当日の天候・気温によりますが)

一方で、この端境期(3月上~中旬頃)はプラス数℃の気温と氷点下を行ったり来たりするような日が多くなって雪が溶けたり凍ったりを繰り返し、だけど新たな雪が降らないとリセットもされず……。
そんな時期はスノーランブラーが最も苦手とする雪質になる日があります。

一面凍ったアイスバーンの日には、スノーランブラーではにっちもさっちもいきません。時には危険が伴うし、凍った踏み跡がついている所をスノーランブラーで歩く(滑る)なんぞ、私ですら嫌になります。
また、中途半端に雪の表面だけが溶けて、板に雪がくっつくのも超不愉快(いわゆる、”ねっぱり雪” だったり ”高下駄状態” というヤツ)。足は重いし、板は滑るどころか止まってしまうし、まるで罰ゲームのようです。

こんな時期のスノーランブラーツアーは、雪質のコンディションと実施場所の選定、現地でのルート取りで頭を悩ませます。

さて、この日のツアー。
先日の異常な暖気のせいで雪の表面は溶けまくり、だけどこの日の最高気温は氷点下の真冬日。しかも新雪は積もっていません。
ツアー前に少し様子を見てみると、案の定、森の雪面は見るからにガチガチに凍っていて、触ればガリガリ、痛いです…。少し表面が溶けてくれたほうがありがたいけど、真冬日予報の今日でどこまで雪が緩むか…。

まさに、3月上旬にあるある、なコンディション。

それでも「スノーランブラーをやってみたい」というお客様、入念な(?)朝の車内会議の結果、『チャレンジ!』となりました。

なるべく日当たり面の明るい森を選び――、最も歩く(滑る)エンジンがかかる時間に少しでもアイスバーンが緩むようにルートと時間を調整して――、斜度はきつくなく、かといって緩すぎず、斜面というよりも微地形で遊べるように――、何より、辛くて・難しくて・嫌いにならないように……。

このテクニカルな雪質の中、怪我なく安全に楽しんでくれて良かった。
自然を見たり知識を得たり、知る楽しさ云々以前に、安全に・不安なく楽しめることが一番です。

▲この雪質の中、果敢に練習中
▲少し雪が緩んできた!
▲転んだ数だけ上手くなります
▲気持ちよさを満喫中

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