エゾモモンガは北海道全域に生息するタイリクモモンガの1亜種で、ムササビの生息しない北海道では低地から亜高山まで、さらには市街地の公園から数ha程度の残存林にも広く生息しています。
(本州のニホンモモンガは亜高山に生息し、低地に生息するムササビとの競合を防いでいるようです)
とはいえ夜行性動物の上、木々を滑空して移動するために目にする機会が非常に少なく、偶然出会うこともほとんどありません。私も実物は今まで3回ほどしか見たことありません。(痕跡をたまに見かける程度)
ただ見るだけでいいのなら、かえって札幌などの人口の多い都市部の方が「エゾモモンガが見られるポイント」が(人間が多い分)知られていて、見ることが出来たりします。
通常、活動時間は日没15分後くらいから日の出20分前程度の夜間ですが、冬季は冬眠しない習性から活動時間が極めて不規則になり、活動自体が極端に鈍ってほぼ一日中巣穴の中で過ごしています。(飼育下では冬の活動時間は一日のうち45分程度)
繁殖は年二回で、一回目の繁殖は3月上旬あたり。初春は繁殖に向けて活動時間が次第に長くなりだす時期です。この時期(交尾期)のオスは日没前から活発に動き回り、メスの縄張り内で複数のオスが動き回ったりします。
今はまさにそんな時期。
先日のツアー中……
いた。
20年以上ツアーをやっていて、ツアー中にエゾモモンガに出会ったことは初めて。
しかもお客さんが目の前でじっくり見られるなんて、ラッキーを通り越してます。
ワタシらのことなんぞ気にすることなく、走り回り、時に近くに滑空してきたり、目が合ったり。
こんな誰も来ない奥まった森では、人間に会うのも初めてなんでしょうね。
やっぱり、いるべき森に生きる野生の姿はいいものです。
※ちなみに後日、プライベートで同じ場所に行き、6時間ほど張ったけど一度も見られませんでした。そんなもんです。
コメント
先日はお世話になりました。
ラッキーを通り越していたのですね(笑)
私も次の日に近所の森を出会いを求めて歩きましたが、保安林とはいえモモンガが滑空できる樹間で、しかも母なる大木があるようなエリアはなく、あらためて、先日行った山域の奥深さを知りました。
ウトナイ湖でも過去ブログで記事が見られますが、モモンガの寿命は長くなく、ウトナイ湖のような独立した森林で、低木ばかりでは外から新たな個体が入ってくるのも期待できないのでは・・・なんて思ったりもします。
何はともあれ、楽しかったですね(笑)
先日は滑りも歩きも出会いも良く、いい一日でしたねー。
いくら里の残存林でもいるとはいっても、あのような”良い森”の中で出会えた方がやっぱりいいものですよね。
後日はさっぱりだったので、やっぱり目が多いといいなぁ、と改めて思います。
また癒やされに歩きにいきましょう!