見えてくるもの

意外と早く本州出張から帰ってこられたので、神仙沼やら五色温泉やらをカメラを持ってぶらぶらしていました。
しかしこの日の山は、行ってみるとどんより曇り空。光がイマイチなんで写欲も湧かず、かといって紅葉も花も終わり、ようするに地味なんですな。
とはいっても、見るものが何もない、なんて思うのは人間側の問題であって、見ようと思えば「ほぉぉー」と思えるものはあるものです。
なんてガイドらしいことを言っても、ガイドになりたての頃の私は、晩秋~冬の地味な季節(いわゆる花がなく、ガイドネタが少なくなる季節)はいつも胃がキリキリする思いでツアーをやっていたもんです。
まぁ今は、開き直っているというのか、痛みに慣れたというのか、「キャッチーな見るモノがないなら、自分的に面白いものを探せばいいじゃん。面白さを分かってもらえる人に分かってもらえればいいよね」という感じ。
ということで、駐車場からすぐ目の前の稜線を見ながら、「ほぉぉー」とカメラを向けて喜んでました。
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木々に葉っぱがない分、それぞれの木の特徴がつかみやすく、遠目でも見分けられます。
正確には、”見分けられる” というか ”違いが分かります”。木の名前が分からなくても、木々の違いに気づくのが大事。
尾根の上から―、
ダケカンバ(白く立っている木)―
ミヤマハンノキ(グレーで少し低い木)―
ハイマツ(緑色の低木)―
ガンコウラン(さらに色の濃い、マット状に広がって見える木)―
と、地形によってキレイに棲み分けてるのが見えます。
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ちなみに、奥の尾根のように見える場所は、手前の尾根からは沢向こうの場所で一段も二段も標高の高い平坦地が広がっています。
雪と風が強すぎてダケカンバですら生育が悪く、一面の笹原になるんでしょうね。
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地形や斜面向きによる風の影響、それに伴う水分量、積雪の状態など、様々な要因で植物は棲み分けをしています。
緑の季節には分かりにくい風景。
見た目が地味でも、気づこうとするかが勝負です。

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